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2010年5月

2010/05/01

プレシャス(Precious)

生まれた子どもはみなプレシャス(貴重)  
    ネタバレありです。  
335599view002  この映画のストーリーは、サファイアによる小説『プッシュ』を元にしているそうですね。この小説、現実に起こっている様々な問題を、プレシャスという一人のティーンエイジの女性に投影させたフィクションストーリーとのことです。
 映画版でのタイトルのpreciousは主人公(クレアリース・プレシャス・ジョーンズ)のミドルネームであると同時に、「貴重な」という意味でもありますね。親から虐待を受けてきた娘がプレシャス、だなんて、これは(1)現実とは違う想いを子どもにつけたのか、それともごく普通に、(2)そうなって欲しいという思いで名付けたのか、どんな意味なのかなあ、と考えました。映画のトレーラーなどから推測するなら(1)なんだろうなあ、と予想しつつ観賞していましたが、映画の後半、どんでん返しがありましたね。母親の思いが吐露された際に、プレシャスが生まれた時点では確かに(2)だったんです。

 そう、この世に生を受けた子どもは、親にとってはprecious(貴重)な我が子なんです。

335599view003_2    それが、不幸な事件(犯罪ですが)により、そのプレシャスさが逆転してしまうという現実。可愛さあまって憎さ百倍、とも言うように、強い愛情が一つのきっかけで反転する恐ろしさ。そんな現実を見させられました。うーん、見ていて辛い、、、、。
 日本でも今、我が子・幼児虐待の事件が報道されない日はありません。レイプ、とまではいかなくても、何かのきっかけで愛情から憎悪に変わっていってしまった経過があるのでしょう。これを解決する方法は何、、、と考えさせられました。実に重い、、、。

20100105005fl00005viewrsz150x  でも、プレシャスが、最初から最後まで、父からのレイプによって生まれることになった2人の子どもに、愛情を注ぎ続けます。「誰からも愛されていない」と思っている彼女にとって、子どもはprecious(貴重)そのものなんですね。過酷な人生であっても、純粋に生きている、我が子を愛するプレシャスの姿に、希望の光が見えます。

 さらに、子どもへの愛情とともに、学ぶことへの喜びを見いだす所も素敵なんです。彼女が学ぶ代替学校の名前であるEach One Teach Oneとは、教育を受ける機会のなかったアフリカ人に、教育を通じて無学からの脱却を図り、社会的な地位を向上させようという運動のスローガン的な言い回しだそうです。絶望からの脱却の第一歩は教育、なんです。それを伝えようとしているこの映画に、希望の光が見えます。

 父親(母のボーイフレンド)から受けたレイプのトラウマから、現実からの逃避を意味する幻想を見るプレシャス。その映像が中盤過ぎまで所々に、それこそ突然に挿入されます。幻想の中では、彼女はスーパースターであり、カッコいいボーイフレンドがいて、時にはブロンド髪のスタイル抜群の白人女性だったりするんです。その映像の意味が何だろうと、映画鑑賞中ずっと考えていました。
335599_100x100_004  その幻想は、後半になくなりました。プレシャスが、辛い現実の中から、母親から離れ、教育を受ける喜びに希望を見いだし、我が子と暮らすことに希望を見いだしたことで、過去のトラウマが消えていく、ということでした。現実と向き合いながら、前向きに進もうとするプレシャスに、もう幻想は要らない、ということなんだ、と気づきました。

 過酷な環境でも希望の光を見いだそうとするこの映画、実にpreciousです。

 最後に一言。母役のモニークの熱演も見ものですが、マライア・キャリーがノーメークでソーシャルワーカー(福祉課の職員)役を演じる姿もなかなかです。

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