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2010/01/23

キャピタリズム マネーは踊る(Capitalism : A Love Story)

見ていてどんどん腹が立ってくる!!!

Capitalism1  マイケル・ムーア監督、過去の作品は、自動車産業・銃社会・政治と戦争・健康保険、といった重要なテーマに対し、本気とジョークでドンドン切り込 んでいました。ドキュメンタリーでありながら、明らかに一つの方向に気持ちを向かわせる手法には批判もありますが、確信犯的な姿勢にひたすら感心するばか りでした。ジョークも冴えていて、時折挿入されるアニメっぽい映像もアイロニーたっぷりで楽しむことが出来ました。

 ところが、今回のはちょっと違います。はっきりいって、楽しめません。腹が立ってくるばかりです。

 ジョークっぽいのは、ウオール街に装甲車で出向いて、$マークの袋に「金返せ」って叫ぶ場面でしょうが、あまりにストレートすぎて笑えません。お馴染み、ブッシュ前大統領の演説にテロップらナレーションを加える手法も、アイロニー度は過去の作品程ではありません。
  タイトルであるCapitalismは、訳せば「資本主義」。ついに、アメリカ社会の哲学であるイデオロギーそのもの、本丸に切り込んできました。そのた めかな、今までの作品にあったジョーク的な雰囲気が無くなっている気がします。野球のピッチングで喩えれば、遊び玉一球も無し、ストレートで三球三振狙 い、といったところでしょう。

 つまり、アメリカ社会の富裕層、特に金融界の大物に対し、様子見も無く、からかいも無く、ひたすらまっすぐに攻撃を仕掛けているのです。サブプラ イム・ローンなる「錬金術」を考え出し、バブル経済を巻き起こした金融界が、今度は破綻するや否や国民の血税を投入され、自身は責任をとるどころかちゃっ かりと「報酬」を受け取るという事実を、具体例を上げて描き出しています。「規制緩和」の名の元、消費者や労働者を守っていたと思われる法律までも、経営 者側に有利に働くように改正されていった様子も紹介されます。また、従業員に勝手に生命保険をかけ、亡くなった後には遺族に渡さず自分たちが大金を受けと る企業の経営者たちの姿も描かれます。それは、もうジョークどころではありません。富裕層ではない(なれない)私は、そんな映像を見せられれば見せられる ほど怒りが込み上げてきます。腹が立つ、というのは、映画に対してではないんですよ、映画の題材となった「彼ら」に対してなんです。

 かつてチャップリンは、「一人を殺せば殺人犯だが、多数の人を殺せば英雄になる」と、映画「殺人狂時代」で主人公に言わせました。この映画ではさ しずめ、「非力な一人の僅かな借金は問答無用に取り立てられるが、強大な富裕層の借金は返済免除どころか責任をとらされることもない」ということでしょう か。

Capitalism2  そんな資本主義社会における富裕層が唯一危惧するのは、富をどんなに独占しようが一人につき一つしか持てない投票権なのだ、と大手銀行シティバン クのレポートは指摘しています。ムーア監督の面白い所は、この事実を自分で言わないで、「敵のレポート」か引用してくる所でしょうね。だから、われわれ一 般国民は怒りを結集して、その一票を行使しよう、と呼びかける事に繋がっていくのです。

 それで見えてきました。ムーア監督の狙いがここにあるのだと。そう、とにかく観客を怒らせよう、怒りの矛先を金融界に向けよう、と。ジョークは抑え目にして、ストレートに攻撃しようと。
 映画を見ていてひたすら腹が立ちっぱなしだった私は、もうこれで絶対に「規制緩和」って言葉にだまされんぞ、顔が労働者か「彼ら」経営者かどちらに向いているのかで政治家を判断するぞ、と強く心に誓いましたよ。

 そんな私は、ムーア監督にまんまとひっかかった、ということですね。


 そしてこんなことをアジりたくなりました。

「みんな、自分が金持ちになれると思ってんの?
    American Dreamを達成できると思ってんの?
    労働者じゃなく、経営者になれると思ってんの?
    リストラは自分には関係ないと思ってんの?
    人の給料下げて、自分は下がらないと思ってんの?
    自分より「下」の人を見て、自分が「上流」だとでも思ってんの?」

「そんなんじゃ、支配者の思うツボだよ。権力者の掌の上で踊ってるだけだよ。
日本でも、金持ちのための、経営者のための政党を支持するのは止めようよ。」

「あんた、最近給料上がったの? 収入増えたの? 
日本でも、ほんの僅かの人が富をかっさらってんだよ。」

「キャピタリズムでの話、決してアメリカだけの話じゃないよ。
それでもあんた、金持ちの仲間になれるとでも思ってんの?」

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