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2009/05/04

バーン・アフター・リーディング(Burn After Reading)

評判悪いようですが、皮肉たっぷりのジョークに笑えないのは、自分を見ているようだから?!

331863_01_07_02  やたら星1つの低い評価のレビューが目立ちます 。「宣伝に騙された」とか「コメディーじゃない1」って怒っている人たちが多いねえ。その怒り、わからないでもないけれど、だからといって星1つじゃあ、ブラピもクルーニーも、怒っちゃうんじゃないかな。それこそ、ティルダ・スイントンに「その口開けないと、閉じこめちゃうよ」とキレられるか、マルコビッチにF*ck連発暴言を叩かれちゃうぞ。

 だいたいさあ、コーエン兄弟の作品なんだよ。アカデミー賞の「ノーカントリー」だってやたら無意味に人が殺されていくんだよ、「ファーゴ」なんて残酷で後味悪い作品だよ、コメディの「オーブラザー」なんてオチの所で大洪水、アーッハッハって笑って終わりだよ。この作品だって、後味良いわけない、最後のオチは強引になるはずだよ。
 コーエン兄弟の作品を見ていなくて、この映画見るのは、純文学作品好きの人がアクション映画を、ラブストーリー好きがサスペンスを見るようなもので、もともと畑が違うんですよ。私は決して「レッドクリフ」も「クローズゼロ」も見に行きませんから。星1つつけちゃうよ。

 「コメディじゃない」と言う人。これ、やっぱりコメディなんですよ。ただ、ガハハと笑えるコメディじゃあない。素直に、気持ち良く笑えはしない。言って見れば、小心者を見て、小ばかにする笑い。登場人物に、何か心当たりがある、どこか自分と重なって見えるのが、素直に笑えない点。

331863_01_01_02 ブラピが恐喝、じゃないよ。最初は落とし物を拾って。謝礼をもらおうとしただけなのに、電話口で相手の名前ばかり言ってるから、恐喝者になっちゃったんじゃない。「善意のサマリア人」と名乗ったでしょ。善意のサマリア人とは、聖書に書かれている、自分の不利益を顧みず人助けをする人のこと。秘密書類をなくして困っている人と、手術代の捻出に困っている人、両方を助けようと、自分の不利益顧みず行動したら、ああなっちゃったんですよ。悲しいねえ。でも笑うしかないんじゃない、「バカだなあ、、」と。

331863_01_09_02  ジョージクルーニー、セックスしたらすぐその後ランニング、ってバッカじゃない!笑う、というかあきれるよね。身体鍛えるのは、セックスのためかい、って笑えましたよ。健康のため、ってトレーニングしている人、本当は自分の体形を異性によく見せたい、とか思っているからなんじゃない、と見透かされているみたい。思い当たらない? そうだったら、笑うしかないでしょ。
 連邦捜査官、とか言って、銃を持ち歩いているけど、一度も撃ったことがない、って。だから、その時になったら「反射的に引き金を引いてしまうかもしれない」って、それヤバイでしょ。そんなこと言ってるから(思ってるから)、ヘマしでかすんだよ。小心者の極みですよ。笑えないけど、ジョークそのものです。

331863_01_04_02  マルコビッチの元CIA調査官、Drinking problem(飲酒問題)と言われて、キレていましたが、そのままですね。上司の説明は正しい、だから、笑えました。で、何より、自分がしていた仕事が大層な仕事だと思っていたら、実は重要度では大したことなかった、なんて上司に(影で)言われていますから、可笑しいんだけど、哀れですね。何か自分の仕事振りを言われているような気分になりました。暴露本、といいても、ちっとも暴露になっていない、ロシアも喜ばない、んですよ。これそ、「乾いた笑い」とでも言いましょうか。

331863_01_02_02  リチャード・ジェンキンス演じるブラピとマクドーマンドの上司、彼が一番哀れかも。最も常識的な男かと思ったけど、最後に狂っちゃうんですよね。やめときゃいいのに。好きな女に言われると、無理しちゃうんでしょうかね、、、。彼だけは、笑えなかったなあ。

 女性陣にはコメント控えます。でも、女3人が自ら笑ってお話は終わり、「観客じゃなく出演者が笑うのかい」、とツッコミいれましたよ。笑う場面は出来てきませんが、明らかに笑っていますよ、画面の外で。それが分かるからまた笑えるんです。

 最大のジョークは、タイトル。Burn After Readingは「読んだら廃棄せよ」で、スパイの鉄則。この事件を全て観察し調査したCIAが、そのレポートをパタンと閉じた時点で、「読んだら廃棄」なんですよ。国家権力にとって、市民のこの程度(死者が出ようと)の事件は、調査して結論でたら、終わり、廃棄処分、なんですよ。ブラックジョークもここまでくると、快感です。で、エンドクレジットと共に流れる歌がF*cking a man, CIA man!だなんて、爆笑でした。権力に痛烈パンチ。日本じゃこんな映画作れないでしょ。最高のオチですよ。

(この歌の訳詞はこちら

 星5つに値する程の名作、というより、星4つくらいの皮肉たっぷりのコメディなんですが、他の人の評価がちょっと低すぎるので、オマケの星5つにしました。

 最後に、もう1つ。ブラピが「ブラック」って嘘の名を騙ったでしょ。ジョー・ブラックじゃん。バカ顔して、「ブラック」って言った瞬間、笑いましたよ。ブラピ自身も笑ったんじゃないかな。

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コメント

この映画は、観たものが頭の中で一周回って面白いと反応する映画でした。最初は面白いの〜って思いましたけど、結局最後は「面白い」に辿り着居ました。(^^

SGTさん、こんにちは。
yahoo評価が低すぎて、ちょっと怒り気味のレビューになってしまいました。
誰もが楽しめる映画ではないことは確かですが、くだらないこと(たいしたことじゃないこと)を必死にやる姿って、自分を含めた小市民にはよくあることですよね。この映画では整形であったり不倫であったりするんですが、これをダイエット、合コン、と置き換えたら、同じです。そこを笑うのは、自分を笑うのと同じだから、笑えないのかもしれません。こういう皮肉だらけの映画、大好きです。

こんにちは

コメントを頂いて調べてみたら
確かに評価が低くてびっくりしました
「グラン・トリノ」と同時期に観て
見応えのある映画ばかり観れて
良かった良かったと勝手に満足していたので
人の評価の多様さに気付かされました

他の映画のレビューも
読ませていただきましたが
いい映画を選んで
深く読み込むような観方をされていて
唸らされるばかりです

「クローズZERO」も好きな
基本ミーハーなにわか映画ファンとしては
いろいろ勉強になりました

ありがとうございました

いぬみちさん
コメントありがとうございます。
クローズゼロ、観られたんですね。暴言済みません(謝)。
ホント、評価低いんで怒れちゃって、こんな文面になってしまいました。他のレビューは冷静に書いているつもりですが、、、。またよろしくお願いします。

映画の楽しみ方も人それぞれであり

楽しむも楽しめないも人それぞれ。

でもこの評価は、価値観の押し付けにしか見えません

マズいラーメン屋を必死で褒める様な

一流の材料・素材、一流の店構え、それでも美味しく感じない 

客は素材の蘊蓄や説明は求めてません。

ラーメンを食べにきてるのであって。

コーエン兄弟の映画は、その独特な持ち味がクセになるのは勿論納得ずくですし、その通りと思います。

自分が観た率直な感想としては、


コーエン兄弟フリークがそれっぽく作ったインディーズムービー的な感じ
。でも全然やれてない


ちなみにクローズZEROはもちろん0点

原作者が金と欲に任せて総てをダメにした典型のサンプル

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» CIAマン/ファグズ [洋楽訳詞ブログ The Cinema Show]
= CIA Man / The Fugs = == CIAって奴は、、、 == {{{No.174}}}  映画「バーン・アフター・リーディング」を観ました。  面白かった!皮肉だらけの映画、私は大好きですよ。ちょっとした事件をもとに、いろんな思惑を持った人びとが右往左往する様子を皮肉たっぷりに描いています。  ただ、今どきの「おバカブーム」に乗っかろうとしたのか、宣伝会社がブラッド・ピットのコミカルな演技を派手に宣伝したために、この映画が「サスペンス・コメディ」と誤解されているようで..... [続きを読む]

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