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2008/09/09

パフューム - ある人殺しの物語 (Perfume - The Story Of A Murderer)

スクリーンから匂いが伝わってくる

Perfume この映画、犯人はわかっているので、犯人探しのプロットはない。警察などが犯人探しをどのようにすすめるか、でもない。先のストーリーが全く読めない、ラストの展開も全く予想外。南仏のグラース、ラベンター畑や岩山に作られた街。美しい景色と町並みが、美しさよりも恐怖感を増させる効果を生むとは予想だにしなかった。殺人事件なのに、どこかおとぎ話・夢物語のような雰囲気。不思議な感覚に浸った映画だ。

 映画の重要な鍵となるのは、臭い(匂い)。映像からはどうしても伝わらないもの。それをどう伝えるか、この映画の挑戦的な試みだろう。その点は、対象物のアップを多用することで表現できているのではないか。画面いっぱいに広がる対象物は、バラであったり、果物であったり、焼き立てのパン、ラベンダー畑、などなど。被害者となる女性たちの美しい肌にも接近するカメラ。不思議なことに、これらの映像が、私たちの想像力をかきたてて、臭いがしている気持ちにさせてくれるのだ。前半のグロテスクな場面も、臭気が今にも漂ってきそうだった。
 ただ、残念ながら、香水に関しては、臭いが感じられなかった。特に、誰もがひれ伏す、究極の香水の臭いとはどんなものなのか、どうしてもイメージできなかった。それは私の想像力の欠如なのか。

Perfume2  主人公のグルヌイユ、自分に体臭がなく、臭いに対して並外れた感覚を持つ。何キロも離れていても、臭いを嗅ぎつけられるというのは想像を超える。誰からも愛されず、人間としての常識を何一つ持ち得ずに育った男、という設定は、この映画〈物語)から現実感を完全に削ぐことになったと思う。ゆえに、夢物語。目的を果たすためなら何でもやるという強い意志と、手際よく抜け目なく行動する姿が見える一方、時には愚鈍で素朴な一面ものぞかせる。そんな主人公を演じたベン・ウィンショーの演技、特に目の表情が秀逸であった。

 いくつか疑問点が残ったのも確かだ。
 なぜ、あのような究極の香水を牢屋まで持って来れたのか。
 映画の最初のシーン、引きずられて大衆の前に立つ姿は最後には出てこない。あのシーンこそが現実であり、映画最後の部分はグルヌイユの夢ではないだろうか。

 そして最後は夢の中で、最初に惹きつけられたプラム売りの女性と結ばれる、そして、自分の生まれた場所にもどり、人々に愛されて消えていく。夢物語としか考えられない疑問点と結末。通常の映画の理解を越えて考える必要のある映画なのだろう。

Perfume3  最後に一点。映画作りにおいて、フランスを舞台にして、登場人物が英語で話すことにどうしても違和感を感じる。グルヌイユはあまりしゃべらないので英語であることはあまり気にならないし、ダスティ・ホフマンとアラン・リックマンは渋い演技を見せてくれてはいるが、ここはフランス語であってほしかったというのが正直な感想だ。

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