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2008/08/10

帰らない日々(Reservation Road)

「音楽は天国に届くのかしら」「そう思うわ」

Reservationroad  家族の前で愛息をひき逃げされた家族、一向に犯人が捕まらず、捜査の進展を狙って依頼した弁護人が実はそのひき逃げ犯人であった、という設定は事前にわかっていた。様々な映画の宣伝に載っていた内容だ。そんな中で、両者の心理をどのように描き、どんなエンディングを迎えるのかに興味を持って、この映画を鑑賞した。タイトルの原題Reservation Roadは、事件が起きた道路の名前。

 簡潔に言えば、ミステリー的なストーリー展開より、家族への愛の表現、という視点で見ると良い映画だろう。

 被害者と犯人は同じコミュニティに暮らしている、子どもどうし・母親どうしはお互いを知っている、という狭い範囲でのドラマ、という点は、映画ではよくある設定。それゆえ、どのように、いつ、父親が犯人に気付き、どうストーリーが展開するのかが注目の第一点。これについては、物足りなさを感じざるを得ない。狭いコミュニティで起きた事件で、大都市ではない小都市での話、数か月も捜査の進展がない、というのはちょっと疑問を持った。ローラー作戦ですべての車の所有を調べることは難しくないはず。ただ、これは日本的な感覚かもしれない。これはアメリカ警察の捜査の現状なのだろうか。
 犯人だとわかる場面も、ある瞬間に突然気付き、車の写真だけで犯人と信じて疑わない。単純過ぎる気がしないでもない。何度も顔を合わせているのに、突然気付くものなのか。
 エンディングはミステリー調になり、ある意味この映画の一番の山場。ネタばれしない程度に書くと、一般的なミステリーに比べれば人道的だろう。悪くはないし、おそらくこの映画の目的はここにはないのだろう。ただ、ノー・カントリーやミスティック・リバーなどのように、世の中の不条理を描く方が印象に残り、私たちに何かを考えさせてくれることは確かだ。

 ストーリー展開には、不満を感じたが、もう一つの視点、双方の心理描写については、よく描かれているのではないか。家族ヘの愛をどのように表すのか、それが心理を読み解く鍵だろう。

Reservationroad2  ホアキン・フェニックス演じる被害者の父の、犯人を捜しだそうとする怒りの感情は、事件を経験した人しか分からないだろうが、鬼気迫るような迫力があった。この映画が父親視点であったので、事件から時間が経過するにつれ立ち直るためには今ある現状から前向きに生きるしかない、という母親(ジェニファー・コネリー)の心理描写の場面が少なかったが、それは仕方がないことかもしれない。でもジェニファーは短い場面でそれを上手く表現していた。本当に、彼女の演技はイイ。

 次に犯人サイド。離婚して別れた息子と過ごす時間を生きる糧にしている気持ちと、事件を起こしたことへの罪悪感に悩む姿。この両者をどう演じるか、が鍵だろう。他のレビューには、この心理描写に厳しく批評している人もいるが、この演技は難しいだろう。マーク・ラファロはこの難しい設定を上手く演じたと私は思うし、台詞ではなく映像や表情でそれが出ていたのではないか。

 「もしひき逃げで我が子が命を落としたなら、あなたならどう思う」と問う被害者の父のことば、これがこの映画の訴えたいことなのだろう。だが、感動したのはその場面ではない。ピアノをはじめようと提案された被害者家族の娘が、「音楽は天国に届くのかな」と母親に問い、「そう思うわ」と答える会話の方だった。感動は、考えられた台詞ではなく、フッと漏れる純粋な子どものことばから受けるものなのだ。家族へ愛を強く感じるのは、こういう場面なのだろう。グッときて、目に涙が浮かんだ。

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コメント

もっとしんみりする内容かと思ったんですけど期待はずれでした。犯人が自首しようかしないか悩んでるよりも絶対捕まらないって感じの、とことん偽装するような犯人の方が私的には、好みなんですけど... 犯人にも同い年の子供がいてっていう... その挟まり方が観ていても、しんどかったですね... 被害者の父親は、彼を殺そうとしますが殺さない事も嫌ですね... ラストでパパは、刑務所へ行くよって息子がビデオレターを観ていますが、息子も正直なところ刑務所に行かないでずっと黙っててほしいと思いますよね?

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