フォト

映画タイトル別一覧

  • 映画タイトル別一覧
    外部HPに、当ブログの映画レビューの記事「映画タイトル別一覧」を作りました。

最近のトラックバック

« メン・イン・ブラック(Men In Black) | トップページ | 告発のとき(In The Valley Of Elah) »

2008/06/11

奇跡のシンフォニー(August Rush)

フレディ君の表情と音楽を楽しむ映画
329926view001
 生後間もなく両親から離れ孤児院に入れられても、両親に会える希望を捨てずに生きる少年の感動ドラマ。何となく、ストーリーもエンディングシーンも予想がつく映画でしょう。ストーリー構成の弱さは見越した上で、この映画をどう鑑賞すべきかを考えながら、試写会で観ました。

 主演のフレディ・ハイモアの豊かな表情がこの映画の最大の見どころでしょう。音楽に身をゆだねている時の嬉しそうな表情、まだ見ぬ両親を深く想う時の寂しげな表情、その両親に会えることを願う時の夢見る表情、自分の夢を否定された時に反論する逞しい表情、どれも素晴らしい「絵」になっています。彼の表情の変化を見るたびに、どんどんと彼の魅力に惹き込まれ、最後には彼へ感情移入してしまいます。

 この映画の「聴き所」はもちろん音楽。「音楽は僕のまわりにある。僕がするのは聴くだけだ」という台詞の通り、様々な自然の音や町中の騒音が音楽のように聞こえてくる、という映画はこれまで見たことがありません。特に、草原の中で主人公がオーケストラさながらの振りをする冒頭のシーンは、いきなり鳥肌が立ちました。また、ニューヨークの雑踏の音を相手に指揮をする場面も、騒音が音楽に聞こえてしまうから驚き。アカデミー賞主題歌賞のノミネートのゴスペルソングも、クラシック曲も、バンドの演奏するロック曲も心地よいメロディーです。何よりも、主人公が始めてギターを弾いた時の曲(押尾コータローの曲風)は、スリリングでリズミカル、そして圧倒的な印象を私たちに与えます。いろんなタイプの音楽が混ざり合い、映画を引き立ててくれます。

 音楽とストーリーの絡みと言う点では、ヴァン・モリソンの「ムーンダンス」が登場する場面は一つの鍵でしょう。主人公の両親が出会ったワシントン・スクエアで、ストリートミュージシャンが奏でたその曲は、後に主人公をニューヨークで面倒を見る元ストリートミュージシャンのウイザード(ロビン・ウイリアムス好演!)が演奏。両親が見たストリートミュージシャンはウイザードだったんだ、とわかります。そしてエンディングでは感動的なフィナーレとして使われます。心憎い演出です。

 主人公のストリートでの芸名August Rushが映画のタイトルですが、「奇跡のシンフォニー」の邦題はよいネーミングです。そのまま訳せば「8月の高揚」、夏に心が踊る躍動感が溢れ、主人公が弾いたギター曲のイメージにピッタリではありますが、名前ですから訳すわけにはいかないでしょう。ちなみに、Augustという名前、Rushという苗字、実際にありますね。上手い組み合わせだと思います。

 主人公をウイザードの所に連れていく黒人少年、教会で知りあうゴスペル少女、この2人がいい味出しています。フレディを含め、この3人で大人たちの演技を完全に喰っている気がしました。

 最後に、少し厳しいことを書きます。隣の席の女性は、映画が終わった後ハンカチで目頭をおさえていましたが、私はそこまで感動できませんでした。(私も涙腺は弱い方なのですが。) それは、やはりストーリー構成の甘さです。レビューの冒頭で、「ストーリー構成の弱さは見越して」とは書きましたが、始めて会って恋に落ちて、make love、二人はその夜のことをずっと忘れられずに、、、、では、ちょっと感動できませんでした。「恋空」じゃないですが、これを純愛とは思えないのですね、私の感覚では。だからやっぱり、ストーリーに踏み込んだらこの映画は感動できないでしょうね。(頭で思っていても、ストーリーを重視してしまう自分がいるんですよ)

« メン・イン・ブラック(Men In Black) | トップページ | 告発のとき(In The Valley Of Elah) »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/510100/41502706

この記事へのトラックバック一覧です: 奇跡のシンフォニー(August Rush):

» ムーンダンス/ヴァン・モリソン [洋楽訳詞ブログ The Cinema Show]
= Moondance / Van Morrison = == 月夜のダンス ==  フォーク、ロック、R&B、ジャズ、トラッド、様々な音楽要素を取り入れた音楽性の高い曲づくりで定評のあるイギリス出身のミュージシャン。大ヒットこそないが、ミュージシャン達から支持を集めるアーチストとして有名。  この曲は、最近公開の映画「奇跡のシンフォニー」(フレディ・ハイモア主演)の挿入歌として使われている。その使われ方が、実に渋い。 http://blogs.yahoo.co.jp/hotel_z..... [続きを読む]

« メン・イン・ブラック(Men In Black) | トップページ | 告発のとき(In The Valley Of Elah) »

2015年10月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

洋楽に関するおすすめブログ

おすすめ映画レビュー

無料ブログはココログ