ユー・ガット・メール(You've Got Mail)
ニューヨークでそんな恋がしたい
映画で観客に、その地に行きたいとか、そんな恋や人生を送りたい、とか思わせることが出来たら、それは映画製作者の勝ちだろう。ニューヨークを舞台にした恋愛ドラマ「ユー・ガット・メール」は、そんな視点からみれば100点満点の映画だと思う。
ストーリーは、「そんなのあり得ない」といえる内容。顔を知らない相手とのメール交換で悩みを相談しあい、いつしか恋心が芽生える。同じ頃、仕事上のライバル関係にある異性と、口論する。ところが、そのメール相手とライバルが同じ人。でき過ぎです、そんな話。現実感は全くない。でも、そんな風に運命の人と出会うことがあったらロマンチックだなあ、と思わせる演出でもある。強気とキュートさを兼ね備えたメグ・ライアンの役、強引さと誠実さが同居するトム・ハンクスの役、異性なら憧れてしまうような人物設定は、女性監督(ノーラ・エフロン)ならでは、だろう。
舞台はニューヨーク・マンハッタンのアッパーウエストサイドと呼ばれる、ちょっとお洒落な街。スーパーマーケット「ゼイバーズ」も、カフェ「ラロ」も、公園も、ただの歩道までもがお洒落だ。こんな街に暮らしたい、と心底思え、実際ニューヨークに行って、その場所に立って、写真を撮ってしまった。私は完全に映画製作者の作戦にはまってしまった。
そしてこれが、2人の「最悪な」出会い、スーパー「ゼイバーズ」。

インターネットでのメールのやり取りが盛んになり始めの頃なので、様々なインターネット犯罪もあまりなかったのも、この映画に好印象を与えたのだと思う。今なら、インターネットの闇や罪の部分が気になってしまい、そんな恋に憧れることが出来ないだろう。98年という時代を上手く映し出した名作だと言えよう。
ちなみに、タイトルYou've Got Mailとは、アメリカインターネットプロバイダー大手のAOLの新着メールメッセージ音だ。「メールが届きましたよ」というわけだ。本当なら「ユーブ・ガット・メール」だろうが、「ブ」は取って正解だったでしょうね。



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