ダ・ヴィンチ・コード(The Da Vinci Code)
原作の方が断然面白い・・・3時間の映画にするには無理があった

ダン・ブラウンのベストセラー小説を映画化したこの作品、ほぼ原作に忠実に作られている。聖書からの引用やキリスト教に関する用語がたくさん使われているため、欧米のキリスト教徒には馴染み深い言葉でも、異教徒にとっては基礎知識の不足で、理解するのに時間がかかる。謎解きの説明の場面でも、テンポよく(というかあまりにスラスラと)解読していくので、観客は(特に異教徒にとっては)ストーリーに追いつくのに精一杯で、謎解きの細部が見えないまま進んでしまう。原作では、解読に失敗する場面もあるが、映画ではいとも簡単に解読。長編小説を3時間弱の映画にまとめるのだから仕方がないにしろ、原作の面白さが損なわれてしまったと言っても過言ではない。

原作小説でも物足りなかった点はある。それぞれの人物そのものの背景や人物描写がやや少ないのだ。特に、聖杯の謎を研究し続けている老研究者ティービングは、ストーリーの重要な鍵となる人物なのだが、描き方が甘い。映画ではイアン・マッケランが上手く演じ、説明はなくとも十分に人物の雰囲気を醸し出している。この点は原作を超えているか、と感じた。主演のトム・ハンクス、オドレィ・トトゥは完全にマッケランの演技に食われてしまったと思える。
いずれにせよ、原作小説では、自分のペースで読み進めるわけだから、難しい箇所はゆっくりと読むことができ、ストーリーや謎解きに隠された細かな点までしっかり理解できる。そういう点からも、この映画は必ず原作を(先でも後でもよいから)読んだ方がよいだろう。


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