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映画タイトル別一覧

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    外部HPに、当ブログの映画レビューの記事「映画タイトル別一覧」を作りました。

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2008年5月

2008/05/31

陽のあたる教室(Mr.Holland's Opus)

普通の教師の、普通の人生。でもそこには人の成長がある。

Hollandsopus  ホランド先生は、「フリーダム・ライターズ」のような情熱的な先生でもないし、「今を生きる」「ごくせん」や「GTO」のような破天荒さもなければ、「金八先生」のような正義感溢れる人徳者でもない。むしろ、教師にでもなるか、そうすれば自分の時間を有意義に使える、と思っていた、どこにでもいるごく「普通」の青年教師だった。自分の時間を使って、専門である音楽の勉強と作曲をしよう、教師は一時の仕事と考える、そんな「いい加減な」教師だった。ところが、楽器演奏の未熟な生徒達に嘆きつつ、一人の生徒の楽器の指導をすることで、教師という職業のだいご味を知るようになるのだ。さらに、距離を置いていた聴覚障害を持つ息子と、真に向き合うようになる。そして定年を迎えた時、息子と妻の見ている前で、かつての教え子たちで構成されたオーケストラの指揮を執る。教え子に囲まれて定年退職を迎えることほど、教師冥利に尽きることはないだろう。その演奏曲こそが、ホランド先生の作品=Mr.Holland's Opusなのだ。

 この映画の素晴らしさは、ごく普通の人が、目の前のことに精一杯取り組み、時には間違いや失敗を犯しながらも、着実に成長していく姿が描かれている点ではないだろうか。取り立ててすごいことをしたわけではなく、教師として当たり前のことを、親として当たり前のことをしただけなのに、感動的な映画となっているのは、この映画が描く世界が本当にリアルだからであろう。自分の時間を大切にしたがる気持ちも、障害を持った子どもと面と向き合えない心の弱さも、やっかいな生徒の面倒をみるのを嫌がる姿勢も、浮気心も、みんなリアルだ。その時その時、真剣に悩み、精一杯努力し、問題を解決していく。そして、そんな中で人は成長していく。

 ごく普通の人の、ごく普通の生き方でも十分ドラマなのである。そして、ごく普通の人が、自分の出来ることを精一杯することで、この世の中はよくなるのだ、と私は信じている。世の中にヒーローは沢山いるのだ。

 最後に一言。ホランド先生(リチャード・ドレイファス)が手話で歌う「ビューティフル・ボーイ」、この1曲だけでも、音楽点は満点。

2008/05/29

ユー・ガット・メール(You've Got Mail)

ニューヨークでそんな恋がしたい

Youvegotmail  映画で観客に、その地に行きたいとか、そんな恋や人生を送りたい、とか思わせることが出来たら、それは映画製作者の勝ちだろう。ニューヨークを舞台にした恋愛ドラマ「ユー・ガット・メール」は、そんな視点からみれば100点満点の映画だと思う。

 ストーリーは、「そんなのあり得ない」といえる内容。顔を知らない相手とのメール交換で悩みを相談しあい、いつしか恋心が芽生える。同じ頃、仕事上のライバル関係にある異性と、口論する。ところが、そのメール相手とライバルが同じ人。でき過ぎです、そんな話。現実感は全くない。でも、そんな風に運命の人と出会うことがあったらロマンチックだなあ、と思わせる演出でもある。強気とキュートさを兼ね備えたメグ・ライアンの役、強引さと誠実さが同居するトム・ハンクスの役、異性なら憧れてしまうような人物設定は、女性監督(ノーラ・エフロン)ならでは、だろう。 

 舞台はニューヨーク・マンハッタンのアッパーウエストサイドと呼ばれる、ちょっとお洒落な街。スーパーマーケット「ゼイバーズ」も、カフェ「ラロ」も、公園も、ただの歩道までもがお洒落だ。こんな街に暮らしたい、と心底思え、実際ニューヨークに行って、その場所に立って、写真を撮ってしまった。私は完全に映画製作者の作戦にはまってしまった。

これが、2人が待ち合わせした「カフェ・ラロ」。
Lalo 


 そしてこれが、2人の「最悪な」出会い、スーパー「ゼイバーズ」。
Zabars

 インターネットでのメールのやり取りが盛んになり始めの頃なので、様々なインターネット犯罪もあまりなかったのも、この映画に好印象を与えたのだと思う。今なら、インターネットの闇や罪の部分が気になってしまい、そんな恋に憧れることが出来ないだろう。98年という時代を上手く映し出した名作だと言えよう。

ちなみに、タイトルYou've Got Mailとは、アメリカインターネットプロバイダー大手のAOLの新着メールメッセージ音だ。「メールが届きましたよ」というわけだ。本当なら「ユーブ・ガット・メール」だろうが、「ブ」は取って正解だったでしょうね。

2008/05/25

グリーン・マイル(The Green Mile)

スティーブン・キングの人間ドラマは見ごたえがある

「ショーシャンクの空に」のスティーブン・キング原作、フランク・タラボン監督の作品。超自然的な要素やミステリー風味を加えての、3時間を越える人間ドラマとなっている。一人の老人が昔を語る、と言う形で始まる、最後も昔話から現在に戻ってくるというストーリー構成は、昔からよくある手法だ。この手の作品は、現代に戻った後に、ちょっとしたエピソードが加わったり、どんでん返しがあったり、感動的なエンディングを迎えたり、となることが多い。この作品も、同様な演出をしている。(詳細はネタばれになるので、控えます)
Greenmile
 さて、この作品、人間ドラマでは不可欠の、詳細な人物描写がなされているか、というと、実はそうでもないのだ。幼女を殺害したと言う罪で死刑宣告を受け刑務所に入所してきた巨体の黒人男性コーフィ。その男がもつ、病気を治すと言う超自然な力が、少しづつ明らかになる。ところが、彼の性格も生い立ちも全く明かされることはないのだ。小さきもの、弱きものに絶対的な愛を注ぐ一方、力を誇示するもの、悪しきものには容赦のない仕打ちをする、という面だけが徐々に分かってくる。では、なぜ幼女殺人の罪で入所することになったのか、ひょっとしたらえん罪ではないのか、という疑問を最後までずっと観客に考えさせ続ける。それとも、彼は人間を越えた存在(ひょっとすると神ではなかったか)とまで思わせる程の深みがある。超自然的現象を元に、ミステリー風演出(脚本)を加えた作りは見事だ。

 この映画の主人公は、刑務所の死刑執行人役のトム・ハンクスなのだが、彼はむしろ観客側の代表者のような存在だ。つまり、先に述べた観客の視点そのままの存在なのだ。映画が進むにつれ、彼にどんどん感情移入していく。私たちは、彼の視点で映画を見ている自分に気付くのだ。

 では、この映画のテーマは何か。私は、善意を持った人間として生きることの苦悩、ではないだろうか。コーフィが、後半で「いろんな場所を放浪した。もう疲れた。」と語る場面がある。生き続けると言うことは、人の死を見届けることでもある。人の痛みが分かる、善意を持った人間は、不条理な(人の)死を目の当たりにすると、自分の力ではどうすることも出来ない無力感や、その時の苦悩に直面する。生き続けることは、苦しみでもあるのだ。「ショーシャンク」という刑務所で、生きることへの渇望を表現したキングとタラボンは、「グリーンマイル」刑務所では、生きることの苦しみを表したのだ。見事と言う他に、言葉が見つからない。

 ただ、個人的には、生きることの苦しさは日常生活で十分に感じていることでもあるので、生への渇望を表した「ショーシャンクの空に」の方が好みではある。本当に個人的な趣向なのだが。

2008/05/24

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー(Charlie Wilson's War)

人間万事塞翁が馬

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 もし、この映画が、政治家チャーリー・ウィルソンではなくて、CIAの切れ者ガスト・アブラコトスが主人公だったら、かなりの傑作になったのではないだろうか。それが見終わった後の第一印象だった。
 もちろん、ガストを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンの演技が、チャーリーを演じたトム・ハンクス以上だ、という理由からではない。2人とも好演していることは言うまでもないし、富豪夫人ジョアン・ヘリングを演じたジュリア・ロバーツも存在感は際立っていたし、チャーリーの秘書を演じたエイミー・アダムスはとてもキュートだった。
 私が注目したのは、登場人物の発言のあれこれだ。チャーリーの場合、ソ連軍によるアフガニスタン進攻に対して、国防の機密予算を動かせる立場を活かして積極的に行動したことは確かだが、彼自身の言葉にはとりたてて魅力的なものはなかった。ジョアンも、自らの信念に基づいた行動力は目を見張るが、反共&南部&白人&富豪&カトリックという絵に描いたような共和党支持者の発言の範囲を超えることは全くない。

 ところが、ガストの台詞はどれも示唆に富んでいる。登場初っぱなに上司と言い合う台詞では、冷遇されたギリシャ移民の意地や怒りが込められていた。ガラスをたたき割るシーンなどは見ているこちらも溜飲が下がった程だ。チャーリーがジョアンのパーティに出席する際にも、宗教信仰の厚い彼女達と付き合うのは危険だ、と進言したり、金持ちで暇を持て余している女性が信念に基づいて行動することほど厄介なことはない、とジョアンを評するなど、ガストの一言一言がどれも皮肉であったり、真実をついていたりするのだ。

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 そんなガストの台詞の中でも、「禅の師匠と少年の話」の話が傑出している。馬を贈られて幸運そうな少年に、"We'll see."(いずれ分かる)と言い、その馬から落馬した少年を見てさらに"We'll see."(いずれ分かる)、ケガをした少年が戦闘に行かなくてすんだのを見てまた"We'll see."(いずれ分かる)。この話をチャーリーにすることで、成功した後には失敗の兆しが見える、ということを忠告している。これは中国の故事「人間万事塞翁が馬」からきているのは間違いないだろう。この故事では「いずれ分かる」ではない。幸運のあとに「これは不幸に繋がるやも知れぬ」と、不幸の後に「これは幸運に繋がるやも知れぬ」と老占い師は明確に言っている。そうアメリカから提供された武器で鍛えられたイスラム原理主義武装勢力が、911でアメリカを恐怖に陥れたのは、「不幸に繋がるやも知れぬ」どころではない。この故事を引用することで、ソ連軍撤退の後のアフガニスタンで学校を建て、アフガンの若者に教育を与える重要性を訴えたガストの主張の正しさが際立つのである。

 「最後にしくじってしまった」という意味深なチャーリーの台詞も、ガストの侏儒の台詞の前ではその存在すらかき消されてしまうほどだ。

最後にもう一つ。ソ連軍の飛行機が何機撃ち落とされたか、と画面に次々と表示されても、喜ぶ気にも、笑う気にも全くなれなかった。いかにも、功績のように演出された映像に同感は出来なかった。憎むべき対象は、末端の兵士たちではなく、そういう政策(軍事行動)を指示した彼らの指導者なのだ。

2008/05/16

最高の人生の見つけ方(The Bucket List)

「知らない人に親切にする」って最高の人生だよ

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 モーガン・フリーマンとジャック・ニコルソン、この2人が共演しているとなれば見に行くしかない、ということで公開早々映画館へ足を運びました。結論から言うと、その判断は正しかったですね。二人の演技は申し分なしです。ガンで余命6か月と宣告された2人は、おかれた立場も性格も家族構成もなにもかもが正反対。その2人が死ぬ前にやりたいことのリストを書き、富豪のエドワード(ジャック・ニコルソン)がほぼ強引に、カーター(モーガン・フリーマン)を連れて世界旅行でそのリストを実行する、というのがストーリー。世界各国の景勝地でのロケを敢行するなど、いかにもハリウッド的手法。この映画がつまらないと答える人は、たいていこの世界旅行のあたりが気に入らなくなるだろうな、とは思いました。実際、スカイ・ダイビングやタトゥー彫り、カー・レースは単なるおフザケ、ピラミッドやタージマハール、アフリカの大自然、万里の長城、チョモランマは単なる景色でしかありません。豪華絢爛なこれらのお話と景色は、むしろ映画評価にはマイナスにはなるかもしれません。

 この映画の面白さは、その世界旅行の中で交わす二人の台詞に隠されています。前半は、エドワードが徐々に自分の人生(結婚、別れた妻と娘)を語ることで、心を開いていきます。そして、ピラミッドを背景にカーターが得意の歴史うんちくを語り、天国で聞かれる2つの質問「人生を楽しんだか」「人に幸せをもたらしたか」をエドワードにする場面が、一つのヤマ場。この2つの質問は、心にグサッときますね。人間、たいていどちらか一方しか出来ていないじゃないでしょうか。エドワードは前者のみ、カーターは後者のみ、でしょう。

 でも、2人は気付くのです。実は自分が出来ていないもう一方が、自分のすぐそばにあったことを。つまり、エドワードは、自分のことをいたわってくれる妻への愛の中に人生を楽しむ方法があったと悟ります。カーターは、憎んでいると思っていた娘と再会することは自分の幸せだけではなく、娘の幸せでもあったことに気付きます。まさにハリウッド的な展開ではありますが、どこか遠くで思いっきり羽根を伸ばしてしたいことをするのが人生の楽しみ方でも生き方でもなく、目線をもっと下げて、日常の中に「最高の人生」を見つけることにあるのだと、私たちに教えてくれます。

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 そして、「やりたいことリスト」の最後3つの叶え方が素敵です。「世界最高の美女とキスをする」は誰もが納得できるお話です。「絶景を眺める」も(予想通りですが)、この映画にふさわしいでしょう。何よりも私は、「知らない人に親切にする」の場面で涙が止まりませんでした。少しネタばれになるかもしれませんが、「知らない人」とは、お互いだったのです。カーターは、入院するまで全く見ず知らずの男エドワードがお金はあるが家族の愛を受けていない姿を見て、知らない人に親切にしようとして旅を共にしたんじゃないでしょうか。エドワードは最後にカーターのその気持ちに気付くのです。そしてエドワードもそのお返しをする。

 ビートルズの「アビーロード」に収録されている歌"The End”に、次の歌詞があります。
 And in the end the love you take is equal to the love you make.
 (結局、あなたが受け取る愛は、あなたが生み出す愛とイコールなんだよ)
自分が愛されたいと思うなら、それと同等(かそれ以上)の愛を人に捧げることが必要なのです。人生を楽しみたいのなら、同等に人に楽しみを与えないとダメなんです。そういう意味で、カーターもエドワードも、「最高の人生」を全う出来たのではないでしょうか。

 最後にタイトルについて一言。タイトルのThe Bucket Listは、「棺おけリスト」と訳されていますが、bucketとは文字通り「バケツ」の意味で、棺おけ(coffin)の意味はないようです。もとは、"Kick the bucket"首をくくろうとして台にした「バケツ缶を蹴っ飛ばす」、つまり「死ぬ」という意味。死ぬ前にやりたいことを書き留めたリスト、と言う意味で「棺おけリスト」と訳したわけです。なかなか味のある訳だと思いました。それを邦題でさらに、「最高の人生の見つけ方」。映画のテーマにピッタリ当てはまっています。

2008/05/14

ダ・ヴィンチ・コード(The Da Vinci Code)

 原作の方が断然面白い・・・3時間の映画にするには無理があった

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 ダン・ブラウンのベストセラー小説を映画化したこの作品、ほぼ原作に忠実に作られている。聖書からの引用やキリスト教に関する用語がたくさん使われているため、欧米のキリスト教徒には馴染み深い言葉でも、異教徒にとっては基礎知識の不足で、理解するのに時間がかかる。謎解きの説明の場面でも、テンポよく(というかあまりにスラスラと)解読していくので、観客は(特に異教徒にとっては)ストーリーに追いつくのに精一杯で、謎解きの細部が見えないまま進んでしまう。原作では、解読に失敗する場面もあるが、映画ではいとも簡単に解読。長編小説を3時間弱の映画にまとめるのだから仕方がないにしろ、原作の面白さが損なわれてしまったと言っても過言ではない。
 
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 原作小説でも物足りなかった点はある。それぞれの人物そのものの背景や人物描写がやや少ないのだ。特に、聖杯の謎を研究し続けている老研究者ティービングは、ストーリーの重要な鍵となる人物なのだが、描き方が甘い。映画ではイアン・マッケランが上手く演じ、説明はなくとも十分に人物の雰囲気を醸し出している。この点は原作を超えているか、と感じた。主演のトム・ハンクス、オドレィ・トトゥは完全にマッケランの演技に食われてしまったと思える。

  いずれにせよ、原作小説では、自分のペースで読み進めるわけだから、難しい箇所はゆっくりと読むことができ、ストーリーや謎解きに隠された細かな点までしっかり理解できる。そういう点からも、この映画は必ず原作を(先でも後でもよいから)読んだ方がよいだろう。

2008/05/11

ニュー・シネマ・パラダイス (Nuovo Cinema Paradiso)

  涙が止まらないエンディングシーン

 私が見た映画で、5本の指にはいる名作。監督のトルナトーレの自叙伝的映画で、映画ファンに共感と感動を与える映画だ。
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 幼少時代をすごしたシチリアの小さな町で、子供の頃に映画好きにしてくれた年老いた映画技師アルフレッドと、後に有名な映画監督となる少年トトとの交流を描いている。狭い映写室で2人が小窓から映画を眺める場面や、映画館に入れない人たちのために、鏡を使って建物の壁に映画を映し出す場面、2つの町で同じ日に1本のフィルムで上映するという離れ業を青年になったトトが自転車で2つの町を往復して上映する場面、どれも映画が唯一の娯楽であった当時を偲ばせ、映画への愛情溢れる作品に仕上がっている。
 亡くなった映画技師の男性が、主人公に残した遺品がラストシーンで流れるが、この瞬間涙が止まらない。映画の主人公だけでなく、見ている者も感情移入してしまうこのラストシーンは映画史上に残る名シーンだと思う。このシーンのために、様々なエピソードがストーリーに組み込まれているといっても過言ではない。
 また、エンリコ・モリコーネ作曲の音楽も傑出している。古きイタリアの町並みと、モリコーネの作品がマッチして、映画の雰囲気を盛り上げている。多くのミュージシャンが、テーマ曲をカバーして演奏しているのもうなずける、名曲揃いのサウンドトラックである。「トトとアルフレッド」と言う1分少々の曲は、一度聞いたら忘れられない印象的なフレーズだ。(私は携帯の着信音をこれにしている。自分で音符を打って作りました!)
 この映画は、劇場公開では2時間程度の長さであったが、その後ディレクターズカットとして3時間ほどの長さでも発売された。両方見た感想では、劇場公開版の方がよいと思う。ディレクターズカットの方は、主人公トトの青年期のエピソード(恋愛話)が長くつづられているが、その部分がやや冗長な感じを受ける。その部分が大幅にカットされている劇場公開版のほうが、ストーリーのテンポがよく、お勧めだ。

2008/05/10

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(Catch Me If You Can)

 犯罪映画で爽快感を味わえる面白い映画

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 タイトルは「捕まえてごらん」。これで犯人側が主人公なのがわかる。追われる犯人はレオナルド・ディカプリオ、追いかける刑事はトム・ハンクス、この2人の出演とスピルバーグ監督、ということならヒット間違いなし、という典型的なハリウッド映画で、スピルバーグ監督の会心の一作ともいえる。犯罪者を主人公にしながら、こんなに爽快感を味わえる映画はないだろう。映画を見ながら、「犯人よ、つかまるな」と思えてしまう。というと、まるで「ルパン三世」を見ているようだが、この映画は実在の人物をモデルにしている、と言う点が驚きである。原作本を読んだが、映画で使われたエピソードはほぼすべて事実である。全く資格も知識もないのに、病院で当直医勤務をしたのも事実、弁護士の資格を取ってしまったのも事実、結婚を約束した女性がいたのも事実、フランスの刑務所で死にそうな目にあったのも事実だ。ただ、その順番や起こった場所は事実とは若干違っている。原作に基づき、映画のストーリーとして必要なものだけに減らし、時間経過などの並べ方を変えて、こんなエンタテイメント映画を作り上げたスピルバーグ監督の手腕には驚嘆するばかりだ。
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 また、警官たちの一瞬の隙をついて逃げ続けるディカプリオの口八丁、手八丁は実に爽快だ。それは、ディカプリオがよい意味で「軽く」(肩肘張らずに)演じているからなのだろう。これは、いやらしくねちっこく演じてはだめで、軽やかに演じないとだめだと思うが、それを上手に演じている。
 トム・ハンクス演じる刑事は、原作にはないキャラクターで、映画用に新たに作られたようだ。ギリギリまで追いつめて最後に逃がしてしまうので、刑事としてはポカだらけなのだが、むしろディカプリオの逃げ方が上手いのであろう。原作は映画ほど、捕まりそうでギリギリの場面はないが、上手く演出を加えてエンタテーメント性を高めている。
 ディカプリオの父役のクリストファー・ウオーケンが、意志の強い威厳を持った父親を演じている。その父親をを思う気持ちが強くあふれる点も、犯人に感情移入してしまう一因であろう。
 原作の内容を崩さず、さらに映画的演出を上手に組み合わせたスピルバーグ監督に脱帽、である。

2008/05/02

バック・トゥ・ザ・フーチャー(Back To The Future)

チャック・ベリーがマーティの演奏を聴く?

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 映画Back to the Futureは、私のお気に入りの映画の一つです。多くの人が見た映画だと思うので、もうあえて映画の内容については特に深入りしませんが、その中で使われた音楽が映画のストーリーにちょっと絡んでいる所について書きます。

 まず、この映画のテーマソングは、ヒューイ・ルイス&ザ・ニューズの"Power Of Love"。主人公がダンスパーティのコンテストで演奏する曲もこれ。その時、審査員の先生役でヒューイ・ルイス本人が登場します。主人公マーティ役のマイケル・J・フォックスが演奏を始めてすぐに、「音が大きすぎる」と不合格を宣告するのがヒューイ自身。思わず吹き出してしまいます。

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 それともう1点、マーティが1955年の過去に戻って、ダンスパーティで即興演奏する音楽が、チャック・ベリーの"Johnny B. Goode"。1955年にはまだ発表されていない曲です。これを聞いたミュージシャンの1人が電話をしている場面があります。そして「ヘイ、チャック。従兄弟のマービンだ。お前新しい音楽を探していたろ、これを聞いてみろよ」てな感じで字幕に流れます。が、英語を良く聞くと、「従兄弟のベリーだ」の部分は"Your cousin, Marvin Berry"と言っています。つまり、マービン・ベリーは従兄弟のチャック・ベリーに電話している、という訳です。音楽好きに、ムフフ、と笑わせるネタを仕込んであったのです。公開時に映画館で見た時は確か「従兄弟のマービン・ベリーだ」だったと思うのですが、ビデオ・DVDともに持っていますが、どちらも「ベリー」の部分は入っていません。これでは多くの人にこのアイデアを気付いてもらえないじゃないかなあ。
 チャック・ベリーがマーティの演奏を聴いて、アイデアを膨らました、なんて面白い発想でしょうか。もっとも、そんなことなくたって、実際にチャックはJohnny B.Goodeを書いたんですけどね。

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