ショーシャンクの空に(Shawshank Redemption)
「生きるために生きるか、死ぬために生きるか」 まさに不朽の名作

2時間が長いと感じられずにじっと見入ってしまう映画だ。どれも抜かすことのできないエピソードを組み合わせて、ストーリーが進んでいく。無実の罪で服役する若き銀行マンのデュフレーンにまつわる話が、囚人仲間のレッドの目で語られている。刺激的な映像もなければ、時間軸も一切ずらさず、いたってシンプルな構成になっている。
私がもっとも印象に残っているのは、メキシコのジワタネホという海沿いの町について語られる場面である。そこで、小さなホテルを営みながら余生を過ごしたい、と主人公が夢を語る。「生きるために生きるか、死ぬために生きるか。僕は生きるために生きる方を選びたい」とはデュフレーンの言葉。ここ(刑務所)では夢を持つことは危険だ、と考える囚人仲間のレッドとは好対照。この会話の場面が映画のラストシーンとうまくリンクしている。これが映画のテーマなのである、ということがわかる。どんな状況でも夢をあきらめてはいけない、というメッセージが、様々な悲劇的なエピソードを織り交ぜながら、強く伝わる映画である。
原作はスティーブン・キングの短編集の中の一つであるが、原作とはエピソードなどに若干の修正が加えられている。囚人仲間トミー、デュフレーンの錬金術、逃亡の方法、所長の最期、ラストシーンなどが原作よりもドラマチックに仕上がっている。特に錬金術については、原作ではデュフレーンがレッドに自分の親友のことを語る場面で紹介されるのだが、そのまま映画では使いにくかったのだろう。原作にあったエピソードを利用して変更を加えている。ラストシーンも、テーマをはっきり際だたせる効果があり、付け加えて正解だったと思う。遠景で、何の台詞もなく二人が抱き合う場面は、映像ならではの演出ではないだろうか。
デュフレーンを演じるティム・ロビンス、レッドを演じるモーガン・フリーマン、2人の名優の演技を見るために作られた映画、と言ってもいい。ロビンスは、口数少なく感情を面に表さないデュフレーンの役を、目や表情でうまく演じている。重厚で落ち着いた雰囲気のレッド役は、フリーマンしか適任はいないだろうと思えた。特に、仮釈放後に徐々に希望を持ち始めるという心境の変化を、抑揚を押さえながらうまく表現している。この映画が名作なり得たのも2人の演技力に負うところが多いだろう。
多くの映画ファンが、この映画をナンバーワンであると挙げるのも頷けるほどの名作であり、今後も語り継がれていく映画だと確信している。


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