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2008/03/11

クラッシュ(Crash)

第一印象をことごとく外されていく面白さ 
・・・先入観や思い込みは罪である・・・
そして、人はぶつかりながら生きていく

 一つの車同士のクラッシュをきっかけに、人と人とのクラッシュを連鎖的に起こしていく様子が描かれたこの映画。私たち人間は、人を先入観で、または第一印象で判断してしまいがちであるが、この映画では、それは間違いだと教えてくれる。

Crash

 アメリカ白人は他の人種より優越感を持っている、と私は思っていた。そういうアメリカ白人によく出会った。映画でもそんな振る舞いの白人警官(マットディロン)が登場する。でも、この映画の、ある場面では違った。私の先入観は間違っていた。
 ヒスパニック系住民はどこか信用ならない、と私は思ったことはないが、アメリカ社会ではそんな雰囲気がある。この映画のカギ修理屋の男もそんな第一印象で登場する。でも、実は、優しくて気弱でお人よし。第一印象は間違っていた。
 黒人警官(ドンチードル)は弟と母親を心配している。弟がグレているようだ。犯罪に手を染めている黒人若者が2人出てくる。きっと、こっちが警官の弟だろう、と私は思った。でも、逆だった。映画の後半でそれが突然わかる。意外な場面で。第一印象はまたも間違っていた。
 私の先入観だけが間違っていたわけではなかった。登場人物達も間違った思い込みをしていた。
 黒人女性は、白人警官は自分を助けてはくれないと思い込んでいた。でもそうではなかった。
 イラン人店主は、ヒスパニックのカギ師に逆恨みした。でもそれは間違いだと気付いた。危うく犯罪者になるところだった。
 白人の若者は、ヒッチハイクしてきた黒人の若者が自分を撃とうしたと思い込んだ。でもそれは間違いだった。そして、悲しい結果を導いた。
 この映画の主役はだれだったのかわからないかもしれない。いや、主人公はむしろ人間そのものなのだろう。人間と人間が出会えば、そこにクラッシュは起こりうる。その時、先入観や第一印象、思い込みと言った一方的な判断によって、間違った結果を引き起こしてしまう可能性がある。この映画では、それを様々なエピソードで私たちに伝えてくれた。心温まるエピソードもあれば、ギリギリのところで救われるのもあれば、最悪の結果を招いたのもある。私たちは、人と人とのクラッシュをいかに上手に乗り切るのか、それが大切なのだ。

 この映画を観て、吉野弘さんの詩『動詞「ぶつかる」』を思い出した。盲目の女性が、「歩く時にはあちこちにぶつかりながら歩いている、目の見えない私にはぶつかりながら歩くのが安心できる」と話す様子を読んだ詩だ。ぶつかることで、世の中の処世術を学ぶのではないか、そう問いかけている詩だ。まさに、映画「クラッシュ」のテーマそのものではないだろうか。

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